冒険とは
今から20年ほど前。
旅に出た時、持って行った一冊のノート。

その表紙に刻んだ言葉。
それは、亀の言葉。

冒険とは
そんな下手な言葉でなく
それは「信じる力」である。
なんの冒険が自慢になるのだろう
"ただ向こう側にあるはずの花が見たい″
ただそれだけなのだ。
これは、太宰治の『お伽草子』のなかにある「浦島さん」で、亀が浦島太郎に言ったセリフを自分で勝手に要約した言葉。
自分はこうしたいんだけど、この道を行きたいんだけど。
そうしたいんだけど・・、でもこのままでいいのかなぁ。
誰しもそんなことに直面した時があるでしょう。
自分の想い、分からない事への不安。
人の物差し、見えざる社会の目。
やがては自分への疑念。
そんな堂々巡りの、出口のない想い。
それに答えをくれたこの言葉。
損得じゃあない。
内から湧き出る想い。
迷う自分の背中を押してくれた言葉。
自分を信じて一歩踏み出す覚悟と勇気をくれた。
自分に大義名分を与えてくれた。
それ以来、ずっと大切にしてきたこの言葉。
興味があったら、皆さんにも是非、『お伽草子』を読んで頂きたい。
実は、亀のセリフはもっと、とっても長くて読み深いから。
いつも、この人凄いなぁと思う人に出会うと、
「この人も、ずっと"信じて"きたんだろうなぁ。」と思う。
最近では、あのスーパーボランティアの尾畠春夫さん。
あの、誰もが驚愕するパワーの源は〝信じる力"に違いない。