ククサ
2月末に始まった戦争に心が揺らぎ・・
徒然なる気持ちには到底なれずに・・
それでも・・
一年の様々なことが始まる3月の忙しさの中で
足元をしっかり見つめて過ごそうと・・
そうしたら・・
いつの間にか先日、梅や桜が同時に開花し・・
他の野花も生き生きと、やっと春になってて・・
いやいやついに・・
作ってみることができた。
念願の、ククサ。
20代後半の頃、富士山を望む自然一杯の環境にある宿泊施設で働いていたことがあって、
そこはフィンランドのログハウスの宿泊棟を扱っていたこともあって、
サンタクロースを始めムーミンなど、フィンランドゆかりのショップが施設内にあった。
「サンタクロースからの手紙」というのもあったなぁ。
子供にも、若い人にも人気があって、申し込むとクリスマスにフィンランドのサンタから手紙が届くというもの。
仕事でムーミンハウスにするために六角形のログハウスを建てたり、
サンタクロースの手紙を出すためのポストを造ったり・・。
楽しいことがたくさんあった頃だけど、中でも印象に残っていたのが・・
ククサ なんだよなぁ・・。

フィンランドのククサという白樺の木をくりぬいてつくる取手のあるカップ。
初めて手にしたときは、その素朴な温もりに感激したのを覚えている。
さすがにお値段もそれなりにして・・あの頃は手が出なかったのもしっかり覚えている。
ククサには色々ストーリーがあって、
ちょっと調べたら、今の日本の巷では、幸運をもたらすものだとして贈り物に最適などともてはやされているみたい。
あの頃聞いたストーリーは、とっても素敵で・・
子供が生まれたときに父親が作ってあげるはじめてのプレゼントがそのククサで、
さらにそのこどもの成長に合わせての節目節目に
大きさを変えて新たに作ってプレゼントする、というもの。
なんとも心が温かくなる話じゃぁないか・・、
自分もいつかそんな風に自分の手で愛する子供に贈り物を作ってみたい!
と思った事を忘れられなくて・・
まだ家族もいなかったけれど。
以来、ずっと頭の片隅にあったからか・・
今回コーヒードリッパースタンドの注文をしてくれた人がいて、それを作り終えた後、眺めているときにふと思ったのが
「カップも木だったらいいなぁ。」
その時、ハッと思い出したのが、このククサだった。
あの頃に思った「いつか」は、今だなと。
もはや、すっかり大きくなってしまった子供達の顔を思い浮かべながらも・・
それでも、今だなと・・。
それで、うっかり何個も作ってしまったけれど・・

一体いつ・・
プレゼント・・、出来るかなぁ・・

まっ、とりあえず
まずは、自分で楽しむべし・・・。
残念ながら、ククサのフィンランドも
今のこの世界情勢の中で大きく揺れている。
現在(いま)は、こんな事してる場合じゃないのに。
もっと大きな世界を見て、みんなで立ち向かっていかなきゃいけないのに。
ククサが、子を、家族を想う象徴のように
そんな、まあるい、穏やかで、強い気持ちで、
どうか・・世界が回っていけますように・・