秋の約束
46億年
そんな地球の歴史のドラマの中では
起承転結のどの部分に当たるのかはわからないけれど・・
500万年ほど前に生まれた人類・・
5万年ほど前に、生き延びるために様々な進化を遂げながら始めたグレートジャーニー。
そんな人類なんかより遥か昔、それでも約4億年前・・
「木」が生まれたと言われている。
木のグレートジャーニーは
水辺で生まれたシダ類の様だった木が、自分の生きる場所を開拓するために進化を続け、
内陸へ、北へ南へと拡大し、やがて凍えるような寒い場所でも生きる術を身につけた。
凍える冬は葉を落とし、体内の水分を絶つ。
そして来る春に備えて力を蓄える・・。

こんな美しい色の移ろいをもって秋を感じるこの時期だけど
・・・葉は葉緑素をなくし、もうすっかり落葉の準備は出来ている。
そして待っているんだな・・
毎年、落葉の準備が整ったこの時期に、
必ず吹き荒れる強風を・・

自らは体を動かすことの出来ない木が
風に身を委ねて、左右に体を揺らしている・・
乾いた葉っぱをカサカサ・ガサガサ
振り落としている・・
そして風の嵐の後は・・

外の世界の至る所が・・

葉っぱのじゅうたん・・
この一連の流れを目の当たりにすると・・・
圧倒される・・毎年・・ほんとうに。
地球の気流、寒気とか暖気の動きの中で生まれるこの風が吹く時期を
木は5億年という経験の中で、この風を「経験」として知り、「あうんの呼吸」のように地球と一体化してきたんだなぁ。
凄いな、ほんとうに。
そして落とした葉が地の養分になり、自らの養分にもなり、かつ他の生命の源にもなっている。
枯れ葉を微生物が分解して、様々な養分が土中に蓄えられ、染み込む雨水に溶けたその養分が川を下り、海へと渡る。
そしてその養分で海の生き物たちもまた生きている。
海から生まれた木のこの行動は、海から遠いこの地にあっても確実に海に繋がっている。
凄いな・・ほんとうに。
あるドキュメンタリーで言っていた。
地球が今の生命を育む事が出来るようになった確率は、100以上の精密部品で組み立てた機械式時計を、バラバラにして海に投げ込んだものが、波の動きだけでひとつひとつ全て正確に組み立てられるようなもの、だそうだ。
そんな奇跡以上のような生命を
木は育んでるんだなぁ。
敵わないな・・このダイナミックな循環は・・ほんとうに。
500万年の人類は、知恵と知識と物凄いテクノロジーで学ぼうとしているけれど・・
5億年の木の経験に追いつけるのかな。
知識と経験・・
経験に勝るものないっていうもんねぇ。
やっぱりもっと
謙虚でいなくちゃいけないよね。

綺麗な一日の終わりが・・
今日もやって来てくれた・・