初心を胸に ~「初めて」の感激~
うちの周りで一番早く色をつけてくれる
ダンコウバイ、が咲いた。
春のおとづれを告げるのか・・
冬の終わりを告げるのか・・
そんな時期の毎年のサイン。

そしてそんな時期に、
一年の活動が本格的に始まるこの時期に、
毎年改めて想うことがある。
自分で家具工房の看板を掲げた頃の初めての展示会。
そこで、初めてのお客さんが手に取ってくれたのが、一輪挿しだった。
今でも覚えてる。
その男性は「これ、形がいいよねっ」と笑顔で言ってくれた。
ひとつ¥1000の一輪挿し。その時の胸の中の喜び、感激は今も残っている。
自分の中の想いが伝わったんだと感じられたんだろうな、と。

ふと、学生時代の友人たちの顔を浮かべて
みんなにも、そんな初めての瞬間があったんだろうな・・
と思ったりもする・・、幸せな瞬間だったろうなと。
でもいつまでも、毎回毎回そんな瞬間は来てくれない。
慣れ、というのか、蓄積と捉えるか。
あの時の報酬は¥1000だったけど、
金額ではない報酬を得られた、
あの瞬間を忘れてはいけないよ。
あの時の「自分」を忘れてはいけないよ。
と言い聞かす・・。
その時の、大切な一輪挿しがこちら。

あまり、色がなかった世界に
ぽつぽつと生命力に満ち溢れた色が感じられるこの時に。

初めて小学校へ入学する一年生のように
まっさらな気持ちで、まさに初心をもって
また一年、はじめたい。
また一年、はじめよう!